BOX スウェディッシュウイスキー THE HIGH COAST DISTILLERY

 

BOX  

THE HIGH COAST DISTILLERY  

GAIAFLOW PRIVATE CASK(静岡蒸留所限定)

先日、ガイアフロー静岡蒸溜所へ一般見学に行った際、気になって買ってきたボトル。この「BOX(ボックス)」は日本ではあまり馴染みのないスウェーデン産のモルトウイスキーで、ザ・ハイ・コースト蒸留所がつくっています。

洋酒の輸入販売を行っているガイアフロー社は、ザ・ハイ・コースト蒸留所のアンカー樽(約40ℓ)をプライベートカスクとして購入・ボトリングし、静岡蒸留所のみで限定販売していました。聞くと、モルトマニアの多いスウェーデンで、BOXはクラフトのスーパールーキーとも称され、今とても注目されている人気蒸留所だとか。

石造都市スンツヴァル

調べてみると、ザ・ハイ・コースト蒸留所の創業は2010年と新しく、スウェーデン・都市スンツヴァルの北100キロに流れるオンゲルマン川沿いに所在。この一帯は20世紀初頭、世界中の国や地域へ木材を出荷する製材拠点であったようです。スウェーデンの産業化はここから始まったという歴史家の説もあり、当時の林業は非常に盛んであったようです。

イメージはhttps://sundsvall.se/より。

1621年に設立されたこの都市は、なんと4度の焼失と再建を経験しています。中でも4度目(1888年)は、スウェーデン史最大のもので、原因は蒸気船の火花によるものと考えられているそうです。その火災を機にスンツヴァルは石造りによって再建され、「石造都市」と呼ばれるようになったそうです。

イメージはhttps://sundsvall.se/より。

蒸留所名前変更

林業で栄えたこの北の地スンツヴァルは、厳しくも大自然に恵まれたウイスキーづくりには最適な場所。ザ・ハイ・コースト蒸留所は1960年代まで稼働していた発電所を改装して造られ、BOXという銘柄は当時イギリスへ輸出用の木箱(BOX)を生産していたことがルーツとなっていてます。さらにオープン当初の蒸留所名はその名も「ボックス蒸留所」でしたが、スコッチウイスキーの独立系ボトラーである「コンパスボックス」との混同を避けるため、後にザ・ハイ・コースト蒸留所へと変更したようです。やむを得ずの決断だったと思われますが、個人的にはBOX蒸留所の方が好みです。

今回、静岡蒸留所で購入したのは2本

  • アンピーテッド 62.5% ハンガリアンオーク樽熟成(40ℓ)
  • ピーテッド(45PPM)62.8% ハンガリアンオーク樽熟成(40ℓ)

どちらも熟成期間は3年1か月と14日です。珍しいハンガリアンオーク樽による熟成で度数から見てカスクストレングスだと思います。

UNPEATED(アンピーテッド)

 アンバー

 チョコ、マシュマロ、バニラ、カスタードクリーム、干し草、ナッツ、シトラス、樹液

 独特な樽香はバーボンに似た味わい、濃縮感のあるフルーティーな甘味と収斂性のある酸味、パンチのあるスパイスと仄かなサルファリーが癖となって飲み飽きない心地よさがある。3年とは思えないしっかりとした熟成感とパワフルで贅沢な味わい、ナッティでモルティな甘さが長く続く。全体的に感じるややオイリーでナッティな風味はハンガリアンオーク由来と考えられます。

PEATED 45ppm(ピーテッド)

 アンバー

 モロミ、フェノール系(消毒液・薬品)、たくあん、チョコ、

 収斂性のある酸味と甘味、ペッパー系のスパイス、苦味を伴ったピートスモーク、しっかりとした熟成感。ハンガリアンオーク由来のナッティさとピートの絶妙なバランス、アンカー樽(40ℓ)でわずか3年のカスクストレングスですが、60度超えのハイプルーフの中に刺々しさはなく芳醇で豊かな味わいが詰まっています。

スウェデッシュウイスキーBOXはとても魅力的なシングルモルトウイスキーでした。アンピーテッドとピーテッドどちらも素晴らしく、私もファンになりました。今度はオフィシャルボトルも飲んでみたいと思っています。

今回はガイアフロー社のプライベートカスクで静岡蒸留所で出会った限定ボトルの紹介でした。

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