アメリカンウイスキー
アメリカンウイスキーとは”アメリカで造られるウイスキーの総称”です。日本ではバーボンという呼び方で知られています。
バーボンウイスキーはケンタッキー州で生産されるトウモロコシを主原料にしたウイスキーをいいます。バーボン原酒は内側を焦がしたオークの新樽で熟成させることで、トウモロコシ由来の甘さとバニラのような新樽の香りが調和した芳醇なウイスキーとなります。
ボトリングについては樽同士のブレンドを行わず一つの樽から瓶詰めされたものを「シングルバレルバーボン」、さらに5〜10種類の樽をブレンドしたものは「スモールバッチバーボン」と呼ばれ区別されています。

バーボンの語源は、フランス・ブルボン王朝のブルボンが由来。それはアメリカの独立戦争(1775~83)で、独立派を支持し大きく貢献した、フランス・ブルボン王朝へ、感謝の意を表して名付けられたそうです。
アメリカンウイスキーの起源については諸説ありますが、1775年にケンタッキー州でトウモロコシ栽培の記録が残されており、1783年にウェールズから移民した、エヴァン・ウイリアムズによってウイスキーが造られています。そして1789年にはスコットランドから移民した、エライジャクレイグ牧師が、トウモロコシを原料にウイスキーを造った記録があり、この牧師はバーボンの祖と呼ばれています。
現在、日本で流通している主なアメリカンウイスキーは、バーボンウイスキーの他にテネシーウイスキー、その他ライウイスキーやコーンウイスキーなどもあります。
バーボンウイスキーとは
原料の51%以上がトウモロコシで造られたもので、内側を焦がしたオークの新樽で熟成させたもの。2年以上熟成されたものはストレート・バーボンと呼ばれ、ラベルにも表記されています。
ライウイスキーとは
原料の51%以上がライ麦で造られたもので、内側を焦がしたオークの新樽で熟成させたもの。2年以上熟成されたものはストレート・ライウイスキーと呼ばれる
コーンウイスキーとは
原料の80%以上がトウモロコシで造られたもので、内側を焦がしていないオークの新樽か、古樽を使用して2年以上熟成されたものは、ストレート・コーンウイスキーと呼ばれる。
アメリカンウイスキーはこの他にも、小麦を主原料として造るホイートウイスキーやスピリッツをブレンドしたアメリカンブレンド・ウイスキーなどがあります。
蒸留について
アメリカンウイスキーの蒸留は、スコッチのシングルモルト・ウイスキーに使われるポットスチル(単式蒸留器)ではなく、ビアスチルと呼ばれる円筒形の連続式蒸留器と、ダブラーと呼ばれる精留装置が使われるのが特徴です。唯一の例外はケンタッキー・フランクフォート地区のウッドフォード・リザーブ蒸留所です。アメリカンウイスキーでは珍しい銅製のポットスチルを導入し、3回蒸留したバーボンウイスキーを製造しています。アメリカンウイスキーとスコッチは原料にも違いがあります。大麦を主体として造るスコッチに対しアメリカンウイスキーはトウモロコシ主体でつくられる点です。