ベンリアック10年 キュリオシタス

スペイサイド・エルギン地区のベンリアック蒸留所は1897年ジョン・ダフによって創業した。1898年にモルトウイスキーの生産を開始しました。ベンリアックは不運にも20世紀初頭の※パティソン・クラッシュが業界に与えた影響を受け、創業わずか2年で閉鎖。それから1965年まで稼働を再開することはありませんでした。しかし麦芽床だけはこの期間中も一定の生産を続け、隣接する当時の姉妹蒸留所ロングモーンへ大麦麦芽を提供していました。ベンリアックブランドでのシングルモルトは、1994年当時オーナーだったシーグラム社の「ヘリテージコレクション」として10年物がリリースされたのが最初。それは年間数百本の限定リリースで、今では手入困難なボトルとなっています。ベンリアックファンとしてはどんなものだったのか飲んでみたいものです。

ベンリアックビジネスはビリー・ウォーカー氏から現在はアーリータイムズやジャックダニエルで知られるアメリカのブラウンフォーマン社へと所有者が移っています。ベンリアック傘下蒸留所のグレンドロナック、グレングラッサもこれからのリリースに注目したいですね。今回はベンリアックのピーテッドタイプ「キュリオシタス」を試飲します。


BENRIACH 10YEARS CURIOSITAS 46% 55ppm

 ゴールドアンバー

 蜂蜜、カスタードクリーム、バニラエッセンス、ピートスモーク

 舌にピリッと広がるスパイスと共にシリアル、ナッツ、バニラの甘味。程よい熟成感。オークのクリアな樽香が心地よい。フルーティーでビターな味わいも少しあり、パンチのあるピートフレイバーとバランスよく重なって長い余韻となる。

 以前飲んだ10年ノンピートとバッチ1のカスクストレングス、そしてホライズンズやバーニーモスなど、ベンリアックのモルトは大好きですね。中でも10年の芳醇な味わいと綺麗なピートのコラボレーションが味わえるキュリオシタスは秀逸な一本だと思います。同じピーテッドタイプのバーニーモスよりもこっちが好き。コスパも良いのでまだ飲んでいない方にはぜひお勧めしたいボトルです。

※パティソンクラッシュとは、19世紀末頃にPattisons Whisky (パティソン・ウイスキー) という銘柄のブレンデッドウイスキーを販売していたパティソン社が不正会計で倒産し、芋づる式にウイスキー関連の会社が10社ほど、加えて多くの小規模会社が倒産していった事件。このパティソンクラッシュ が直接の原因とは言い切れないのですが、この時期からスコッチ・ウイスキー業界全体で原酒の価格は下落、立ち行かなくなった蒸留所は生産縮小や停止、あるいは蒸留所の閉鎖の憂き目に合いました。


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