グレンゴイン 純で粋なシングルモルト

「I sleep easy at night knowing we are crafting world-class whisky by using the same methods as our predecessors」先代と同じ方法で世界クラスのウイスキーを作っているので、夜はぐっすり眠れます。 GLENGOYNE

GLENGOYNEはスコットランド最大の都市グラスゴーから北へ20㎞、スターリングシャーに位置するハイランド蒸留所です。グレンゴインの歴史は古く密造酒時代まで遡る。スターリングシャーのキャンプシー丘陵はかつてウイスキー密造のメッカとして知られている場所。そのうちのひとつバーンフット蒸留所(BURNFOOT)は創業者ジョージ・コンネルによって生まれたグレンゴインのルーツ蒸留所です。酒税導入を受けて1833年の蒸留開始当時(ライセンス取得時)はグレングイン(GLENGUIN)という名へ変更し、新たに政府公認の蒸留所としてスタート。さらに1905年からはグレンゴインを名乗るようになりました。グレンゴインの特徴はまったく泥炭を使用しないノンピートモルトであることと、通常よりも長い時間をかけて蒸留するという特徴があります。原料の大麦が持つ味わいをシンプルに追求し、シェリーカスク熟成を主体としたリリースとなっています。2001年にスコティッシュオーク樽を使った世界初のシングルモルトをリリースし話題になったことがあり、調べてみるとグレンゴイン16年スコティッシュオーク・ウッドフィニッシュ53.5%700mlというボトルが全世界限定15樽のみでリリースされていました。もう一本も残ってはないでしょうが飲んでみたかったボトルです。現在グレンゴイン蒸留所のオーナーはボトラーのイアン・マクロード社。シングルモルトの幅広いラインナップの他にシングルカスクなどもリリースしています。今回はオフィシャルリリースの10、12、15年を試飲します。


GLENGOYNE 10YEARS 40%

サンフランシスコワールドスピリッツコンペティション2018銀賞。インターナショナルスピリッツチャレンジ2018銀賞。

 ライトアンバー

 青リンゴ、ナッツ、トフィー、ソフトなオーク

 爽やかな草のような風味にシュガーナッツ、ポップコーン、ドライフルーツの優しいフレイバーがある。さっぱりとした飲み口で軽快だが、じんわりと現れるスパイスと重なって厚みが増し、複雑さを伴ったバランスが楽しめる。


GLENGOYNE 12YEARS 43%

アルティメットスピリッツチャレンジ2017ファイナリスト。
インターナショナルスピリッツチャレンジ2018銀賞。

 ゴールドアンバー

 レモンの皮、トフィー、リンゴ、ココナッツ、バニラ

 ドライフルーツ、バニラ、クローブを思わせる甘い風味と滑らかな口当たり、パンやクラッカーなどの豊かなシリアルフレイバーが広がっていく。少し遅れて複雑なスパイスが現れバランスを取り余韻となる。全体を包む優しいドライフルーツも最後まで続く。開封後1、2週間でよりモルティーなフレイバーが強まったように感じる。


GLENGOYNE 15YEARS 43%

Whiskies of the World 2017 銀賞。

 コッパーアンバー

 パイナップル、トロピカルフルーツ、レモン、シェリーオーク、トフィー

 糖蜜にフルーツキャンディといったスイートフレイバー、ポップコーンやシリアル系の芳醇な旨味があり、遅れて現れるミックススパイスが全体をまとめる。比較的サッパリとした印象の酒質ですが熟成感もちゃんとあり、芳醇な味わいが楽しめる。シェリーカスク由来のフルーティーな余韻が長く続く。開封後の変化も楽しめる一本です。

 


 最初にグレンゴインを飲んだのは、グラスゴーのバーだった。気になって飲んでみると、すっきりとしていてクリーミーな麦芽のアクセントがあり、その奥からじんわりと複雑なスパイスがのぞく渋いシングルモルトだった。年数を上げていくと深まる素直な熟成感を楽しんでみるのも楽しい。例えがおかしいがグレンゴインはまるで「塩おにぎり」のような存在感。(笑)味の濃いパワフルなモルトに慣れた自分にとって新しい、いや、本来の素材の「味」を再確認させてくれたようなハイランドモルトでした。

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