グレンマレイ オールドパティキュラー

66.7%

老舗ボトラーズのハンターレイン社からリリースされたオールドパティキュラー・グレンマレイ10年は「シェリー爆弾」とも称され、このようなダークシェリーモルトは近年では希少となりつつある代物。このグレンマレイのボトリング度数66.7%と、今まで飲んだものにこれほどまでのハイプルーフはなかった気がする。日本ではあまり目立ってはいない印象のグレンマレイだが、現在のオーナー(マルケニケーズ社/フランス)のもと近年その実力が認知され始めてきているようです。「本物」は想像力・探求心を刺激するから面白いですね。


GLEN MORAY 2008 10YEARS / OLDPARTICULAR 66.7%

 褐色

 レーズン、苺ジャム、梅、プルーン、硝酸、煙草、オーク

 舌に広がる熟したフルーツの酸味と甘味にシェリー樽由来と思われるマッチを擦ったようなサルファリー系フレイバーとスパイスが重なる。ハイプルーフのアタックとそれを感じさせない円やかさが共存し幅のある味わいとなって楽しめるボトルといった印象でした。フィニッシュは比較的さっぱりと落ち着き、タンニンの渋みが残ります。

 美味しいです。まるでシェリーをそのまま味わっているような濃縮感がありますね。パンチョン樽(500ℓ)と表記されておりシーズニングには色と甘味の度合いからしてオロロソが使用されていると推測します。500ℓ樽で10年熟成というプロセスはシェリー樽熟成に多く見られるパターンですが、熟成の経過によって樽中の度数は少しずつ下がる前提条件をもとにみてみると、このボトルは66.7%と高く標準的な度数(64.7%)を超えて樽詰、熟成させてあることになります。そもそも標準度数なんてものはあくまで一般的な知識であって、樽詰め度数は他のメーカーやボトラーズとの差別化を図る重要なポイントの一つなのだと感じました。アルコールと樽材の関係性において異なる度数で熟成させた時、エキス分の溶出具合や他の成分のバランスはどこまで違った変化をするものなのか個人的に興味のあるところです。


DOUGLAS LAING

ダグラスレイン社

ダグラスレイン社(1948~)は「ラングサイド」や「キングオブスコッツ」などのブレンデッドウイスキーを長く製造してきた会社。インデペンデントボトラーとしてのリリースは1998年からで、代表作品は「オールド・モルト・カスク(OMC)シリーズ」がある。世界中のモルトラバーを魅了し続ける老舗ボトラーの新体制として登場したのが「オールドパティキュラーシリーズ」です。今では当社の看板商品といってもいいこのオールドパティキュラーシリーズは、長年の経験からそのウイスキーのポテンシャルを最大限引き出すべく「18年熟成以下の樽は48.4度」「19年熟成以上の樽は51.5度」という彼らの哲学でボトリングがされているのが特徴です。66.7度という異例のボトリングである今回のグレンマレイ10年はダグラスレイン社のフレッド氏がサンプリングの段階で、このウイスキーに特別なものを感じ、通常ではなく樽出しのままで特別なボトリングをしたのがその理由だそうです。

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