グレンモーレンジ シグネット

グレンモーレンジのポットスチルは、動物のキリンを想像させるような首長の形状になっているのが特徴で、その形状はエレガントでクリアな酒質を生むのに一役買っている。樽に徹底的にこだわる蒸留所でもあり長年の研究を重ね、独自の製法を確立している。一定期間のウイスキー熟成後に他の樽に移し替え、さらに後熟させ複雑で深い味わいを生み出す「ウッドフィニッシュ」を発案したのもこの蒸留所。

グレンモーレンジ蒸留所、現在の所有者はフランスの巨大コングロマリットであるLVMH(ルイヴィトン・モエヘネシー)。2004年にグレンモーレンジのオーナーになったLVMHはルイヴィトンやジバンシイ、ディオールなどラグジュアリーブランドを多く所有し、さらにワインやシャンパン・スピリッツなども所有する巨大複合企業である。傘下になって以降グレンモーレンジはハウススタイルそのものは変えないものの、オーナー企業に相応しいラグジュアリーなウイスキーとしてブランドイメージを新たに確立することに成功。最高のワインとスピリッツを表彰する国際的なコンクール、IWSCのゴールドメダルを他のどのシングルモルトスコッチウイスキーよりも多く受賞した。グレンモーレンジは最も賞を受賞している蒸留所として知られ、その中でも「グレンモーレンジ・シグネット」は2009年に登場して以来、数々の賞を受賞し評論家やマニアからの称賛をうけた革新的な一本とされている。


GLENMORANGIE / SIGNET 46%

グレンモーレンジィのロゴは、8世紀に蒸留所の近くに建てられカドボール・ストーンにインスパイアされたもの。中央の印である「シグネット」は、ピクト族の大地、火、水の間のつながりに対する信仰を象徴したものだと考えられています。グレンモーレンジィにとってはウィスキーの洗練された複雑さを表すものだという。
スコットランド産の大麦のみを使用。最高級のオーク樽で熟成、熟練の職人たちの技で丁寧に仕上げられた 「完璧すぎる(Unnecessarily Well Made)」ウイスキーは、伝統と最新技術を融合させるパイオニアとして高い評価を受けている。
シグネットは長年の研究から産み出された、チョコレートモルト (深く焙煎し、茶色づいた麦芽) を使用するなどの独自の製法さながらベルベットのような柔らかいアロマと舌触り、時間を追うごとに芳醇に変化していく味わいが特徴とある。

 アンバー

 ビターチョコレート、シリアル、バニラクリーム、フィナンシェ、オーク、ドライオレンジ、アプリコットティー

 苦甘いモルティーさが重層的に広がり、度数から来るボディ感にじんわりと温かみのあるスパイスが抜ける。クリアで深みのある上品なオークのウッディネス。後半にかけては香り同様、口に含んだ時に感じたほろ甘いニュアンスとは違いスパイシーでドライな印象が際立つ、チョコレートモルトや樽香の複雑さ、様々な原酒の表情が露出してくるような深い味わいがある。

 香ばしく甘やか、辛口で複雑。これは楽しめる一本です。ゆっくり時間経過とともに高級洋菓子や柑橘などが現れ飲み手を飽きさせない。短熟と長熟の個性が共存するハイ&ロー的なテクスチャー、少しの加水でミドル域の柔らかさが補われ全体にふっくらとしたまとまりがでてきます。チョコレートモルトやデザイナーズカスク、熟成の長短、そしてヴァッティングなど革新的モルトと呼ばれるシグネットは、ウイスキーの奥深さを感じることができるボトルではないでしょうか。

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