アラン20年 ブロディック・ベイ

「スコットランドの縮図」と言われるアラン島では現在2つの蒸留所が稼働中だ。1995年にオープンしたアラン蒸留所は「ロックランザ」に名称変更⁉

ロックランザ蒸留所(旧アラン蒸留所)

スコットランド・グラスゴー西のクライド湾に浮かぶアラン島。この島はスコットランドの地形そして地質学的特徴を全て備えていることから「スコットランドのミニチュア」とも称され、さらにハイランド境界断層によって高地と低地の地域に分かれていることで「地質学者の楽園」とも言われている。そこへシーバス・ブラザーズ社の元取締役ハロルド・カリー氏が蒸留所を建設したのは1995年のこと。アラン島に約160年ぶりに誕生した蒸留所として当時話題となりました。

アラン蒸留所のポットスチルはスッキリとしたライトタイプのウイスキーを生む細身のストレートヘッド。熟成にはシェリーやバーボン樽をはじめポートやソーテルヌ、ピーテッドなどその他多くのバリエーションをリリースしているものアランの特徴。アラン島はウイスキー造りに適した良質な水が豊富にあり、すぐ脇を通るメキシコ湾流の影響によってもたらされる温暖気候で「熟成期間の短縮化」が促されるという恵まれた環境にあります。

ラッグ蒸留所

最近僕も知ったのですが、アラン島・ロックランザに建てられた北の「アラン蒸留所」は、南の第二蒸留所「ラッグ蒸留所」が2019年に建てられたことにより、「ロックランザ蒸留所」へ名前を変更したようです。最近ニューラベルになったアランボトルをよく見るとロックランザ蒸留所と確かにあります。これからはアイラモルトのようにアランモルトのロックランザとラッグという認識ですね。北と南で酒質のすみ分けを行い新たな挑戦に出たアランビジネスにこれからも注目したいと思います。

今回試飲するのは2018年にリリースされたアラン・エクスプローラー・シリーズの第一弾「ブロディックベイ20年」です。アランの20年物は初めてなので少し興奮してますw


THE ARRAN MALT

BRODICK BAY 20YEARS 49.8%

THE EXPLOREAS SERIES VOL.1

シリーズ第1弾「Vol.1 ブロディック・ベイ(Brodick Bay)」はバーボンバレルとシェリーホグズヘッドで熟成させた原酒をexボデガオロロソシェリーバットでフィニッシュさせたもので、熟成年数は20年、アルコール度数49.8%でボトリングされ、限定本数は9,000本。 日本へは600本。

ラベルにも描かれている「ブロディック・ベイ」はアラン島東岸に位置する湾で、イギリス本土からのフェリーはここへ到着するため、アラン島への来訪者がまず最初に訪れる場所です。アラン島の玄関口ですね。

香 トフィー、シトラス、 レーズン、オーク

 舌に広がるワクシーなスパイスとモルトの風味、ややドライ。きめ細かいタンニンのテクスチャが印象的。複雑で豊かな熟成感があり。トフィーやファッジのを思わせる甘味、ダークチョコレート、レーズンの奥行きのある味わいが長く続く。 開封から一週間程でアランのもつ華やかな甘さが露出し、加水によって複雑さが落ち着き、素直な味わいへと変化します。一杯飲んだだけでは分からない奥行きのある味わい。これは楽しいですw

 アランに今まで感じたことのない大人感。複雑なスパイスと奥深いモルトの味わい、口当たりはドライな印象から始まり、時間経過と共に芳醇で豊かな味わいがゆっくりと開き始める。まるで埃っぽい古書のような一本。 飲みなれたスぺイサイドやハイランドのシェリーの感じとは一線を画し、アラン島独自ののニュアンスを強く出しているように感じました。20年という熟成期間もそうですが、深く謎めいた味わいを感じたボトルです。

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