グレンキンチー DEアモンティリャードカスク GLENKINCHIE

グレンキンチー Estd1837

首都エジンバラから約20キロ、ローランド地方の中で最も東に所在しているグレンキンチー蒸留所は、どちらかというと食前酒向きなライトでドライなローランド伝統のモルトをつくり続けている。現在は*MHD社の傘下にあり同社のクラシックモルトシリーズの一本である。

MHD社が所有するスコットランドの蒸留所から、それぞれ毎年リリースされる”ディスティラーズエディション”と銘打たれた蒸留所特別仕様の限定品があります。このグレンキンチーもその一つであり、アモンティリャードシェリーカスクでウッドフィニッシュ(後熟)されたダブルマチュアード(二段熟成)がリリースされています。

その他の”ディスティラーズエディション”はカリスカー、ラガヴーリン、カリラ、ダルウィニー、クラガンモア、オーバンなどがあり、どのボトルも今回のグレンキンチー同様に、何らかの樽でウッドフィニッシュされたものとなっています。

MHD(モエ ヘネシー ディアジオ)・・・1988年「仏モエ ヘネシー・ルイヴィトン」のワイン&スピリッツ事業とスピリッツを中心に多数の洋酒ブランドを持つアルコール界のグローバルリーダー「英ディアジオ社(元UDV社)」そしてアジアをベースにビジネスを展開している商社「英ジャーディンマセソン社」の三社合併によるジャーディン・ワイン&スピリッツ社を原点とし、2004年に仏モエヘネシー社と英ディアジオ社の二社で再スタート、2009年に現在のMHD社となった世界最大のワイン&スピリッツ企業である。

 

 

DISTILLERS EDITION

GLENKINCHIE DOUBLE MATURED 43%

AMONTILLADO CASK FINISH

このボトルで興味のある”アモンティリャード“とは、スペインで栽培されているシェリーの主品種である「パロミノ種」のブドウ果汁を完全に発酵させることでつくられます。このシェリーは”生物学的熟成”と”酸化熟成”の二つのプロセスを経て、複雑で濃縮感のあるドライなシェリーとなります。煮込みや鍋料理などと相性が良く、30年以上の長期熟成タイプもあり根強いファンをもつシェリーです。

このアモンティリャードシェリーを払い出した樽でウッドフィニッシュしてあるのがこのディスティラーズエディション・ダブルマチュアードです。

 ゴールデンブラウン

香り ドライフルーツ、中でもレーズンが強く、酸味も少し感じます。バニラや麦芽香も穏やかに香り、ウッドフィニッシュによる甘酸っぱい樽香がバランスよく溶け出ているように思いました。

味わい 口当たりは柔らかくなめらかでミディアムボディといった感じでしょうか。香ばしいビスケットやレーズンを思わせるような甘味にスパイシーでドライな味わい、遅れてビターキャラメルのようなテイストもフィニッシュにかけて現れます。アモンティリャードはシングルモルトにより丸みを帯びた感触と奥深さを与え、優雅で落ち着いた甘さと味わいを引き出す優れたカスクという印象を受けました。

 

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