カリラDE モスカテルシェリー樽

カリラ

辛口スモーキーなアイラモルトとして知られるカリラ。創立は1846年と古く20世紀後半には近代的な蒸留所へリニューアルしました。現在アイラ島の中では最大級の生産規模を誇る蒸留所です。

ディスティラーズ・エディション(DE)とは、蒸留所がそれぞれの個性を生かしながら、通常のレギュラー品とは異なる製法・技法を用いて生産する特別シリーズのこと。今回ご紹介するカリラはダブルマチュアードと呼ばれる「二段熟成」によって仕上げられたディスティラーズ・エディションです。

ダブルマチュアード(二段熟成)とは、ある一定の期間樽熟成された後に、別の樽に移し替えてさらに一定期間熟成させる方法で、この二段熟成によって、より豊かで複雑なキャラクターを持たせることができます。カリラDEは「モスカテルシェリー樽」によって二段熟成が施された蒸留所特別ボトルです。

MOSCATEL(モスカテル)とは、ポルトガルで生産されている、モスカテル種(マスカット葡萄品種)のみで生産されるシェリー酒です。マスカットの香り豊かなこの品種は、葡萄の皮を残したまま醸造され、グレープ・スピリッツと呼ばれるブランデーを加えることによって、糖分を残したままアルコール発酵を終了します。モスカテルシェリーはフルーティーな香りと、特有の素晴らしいアロマを持ち合わせた甘口のシェリー酒。

カリラDEはこのモスカテルシェリーを熟成させるために使用した樽を二段熟成に使用しています。ラベルに記載されているのは蒸留年が2002年で2014年のボトリングということなので12年熟成となりますが、年数表記はありません。この12年の中での二段熟成はどういった振り分けになっているのか気になるところです。10年(バーボン樽)2年(モスカテルシェリー樽)といった感じでしょうか?

カリラDEは、仄かにフルーティーな甘さ、舌に広がるスパイス、スモーキーなフレーバーの中には塩素系のニュアンスもあり、中盤からよりスモーキーにまとまってくる。少し遅れて甘味も混ざった余韻となって長く続くといった感想です。モスカテルシェリー樽の恩恵を私としてはうまく捉えることが難しかったというのが本音ですが、飲み終えたグラスからは、確かにマスカットの香りを感じました。とても繊細なマスカットの香りは、カリラのクリアでピーティーな酒質に打ち消されている、あるいは隠し味になっているように感じます。このカリラDEは非常に味わい深い魅力的なボトルには間違いありませんが、モスカテルの存在感をさらに高めたボトルを飲んでみたいという願望を芽生えさせるそんな一本でした。

CAOL ILA   Distillers Edition カリラ ディスティラーズ・エディション

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