どの樽が個々の原酒にひねりを加え個性を引き出すか、研究に研究を重ねる蒸溜所。
グレンモーレンジはデザイナーズカスクやウッドフィニッシュなどを生み出した「樽のパイオニア」として知られる北ハイランドの蒸溜所。
かつて「グレン・オブ・トランキリティ(静寂の谷)」を名乗っていたグレンモーレンジは、2004年に3億ポンドでフランスのLVMH(ルイヴィトンモエヘネシー)に買収されて以来、その名にそぐわない活気ある事業展開を続けています。
あまりイメージしにくい「樽の個性」についても、”樽のパイオニア“と呼ばれるグレンモーレンジの革新的なシングルモルトを味わえば、少し謎が解けるのではないでしょうか。
香り、口当たり、コク、甘み、苦味、スパイス、余韻など一言では語れない豊かな美味しさを持つウイスキー。特にシングルモルトの個性的な味わいは人を虜にする魅力がたっぷりと詰まっています。
今回紹介するウイスキーは「エクストラマチュアードシリーズ」です。ウッドフィニッシュものとしては代表格に当たるんじゃないでしょうか!
ネクタードール、ラサンタ、キンタルバンとそれぞれ試飲しましたので参考までに。
GLENMORANGIE
NECTAR D`OR 46%
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ネクタードールはフランスの貴腐ワイン樽(ソーテルヌワイン)で追加熟成したまるでデザートのようなシングルモルト。女性にもおすすめしたい綺麗な味わいが特徴の一本です。オフィシャルではバニラ、オレンジ、ココナッツ、ナツメグ、ジンジャーブレッド、トーストアーモンドなどの風味が楽しめると紹介されています。(バーボン樽→ソーテルヌワイン樽)
感 実際飲んでみるとスッキリとしたフルーツ(強いて言えばオレンジの皮、レモン)とバニラクリームのような風味とコクが印象的で、ジンジャースパイスが樽香と重なって温かみある余韻が楽しめました。極甘系で知られるソーテルヌワインの「甘さ」はそこまで主張せず、まろやかだけどスッキリしている飽きの来ないテイスト。旧ネクタドールのねっとりとした蜜感はなくなったように感じました。
GLENMORANGIE
LASANTA 12YEARS 43%
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ラサンタは上質のシェリー樽(オロロソ樽とペドロヒメネス樽)で追加熟成したものです。ナッツなどの温かみのある香味が際立つ一本です。オフィシャルでは温かなスパイス、チョコレート、レーズン、キャラメルトフィー、オレンジ、クルミ、バタースコッチなどの風味が楽しめると紹介されています。(バーボン樽→シェリー樽)
感 キャラメルとフルーツを伴った樽香。赤いフルーツの甘味と渋味が口いっぱいに拡がり温かみのあるチリやジンジャーのスパイスが鼻を抜ける。ややドライな印象に変わり渋味のある余韻が長く続く。ほろ苦さとか渋味が心地良く、このひとクセがラサンタの魅力だと思いました。43%でボトリングされているので飲みやすく仕上げられていますが、個人的にはもう少し高めの度数設定で飲んでみたいです。
GLENMORANGIE
QUINTA RUBAN 14YEARS 46%
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キンタルバンはポルトガルのルビーポート樽で4年の追加熟成したものです。ダークチョコレートとペパーミント、オレンジの皮、マシュマロなどを思わせる厚く深みのある味わいが堪能できる一本です。オフィシャルではミントチョコレート、胡椒、ナツメグ、クルミ、バラ、オレンジ、ダークチョコレートなどなどの風味が楽しめると紹介されています。(バーボン樽→ポートワイン樽)
感 複雑で華やか、素晴らしい香り!柑橘と優しいスパイス、ボディがしっかりしていて熟成感のある味わいを楽しめる一本!メンソールのような刺激、滑らかでみずみずしいフルーツ。甘味、渋み、ウッディネスとバランスがとてもよく高い満足感が得られる一本だと思います。この3本の中でこれが一番好きです!12年から14年にバージョンアップしたことでより美味しくなりましたね。