The one drop

ウイスキーから見えてくる。正直こそが「価値」を生むということ。

ウイスキーに求めるものは信頼。近年のクラフト・ディスティラリーにみられる製造工程や樽構成などの具体的なレシピ公開は、マニア需要をしっかりと意識したシングルモルト作りになっているように思います。

例え不味くてもそれが正直な味ならしょうがない。だってそうなっちゃったんだもん的な、こんないい加減な感じはウイスキー作りに許されるとは到底思いませんが。そのしょうがないを想像して嗜むのも面白そうだし大人でしょ 笑 とも思っています。

しかしそこで大切なのがメーカーの信頼度ではないでしょうか。一本のウイスキーを理解するには、 そのシングルモルトが農場からグラスに入るまでのトレーサビリティーを知ることにあります。 蒸留所、樽構成、熟成年数、ボトリング度数などの情報で、もっと言えば原料(フロアモルティング%)や詳しい樽履歴、熟成スタイル、輸出入経路など、マニアは知りたいことが沢山ある。僕もそうで、ただネットに落ちてる2次3次情報だと限界があり、結局のとこは自分で動かないと得られないことの方が圧倒的に多いのも確かですが…。

こんなことを言えば信頼できないウイスキーが多くある、みたいに思われるかもしれませんがそうじゃなくて、豊かで複雑な味わいを持つウイスキーがどうやって生まれたのかをできるだけオープンにしてくれた方が入りやすいってだけです。でもそれが信頼です。

心から美味しいと感じるには、リテラシーがあるからこそ、自分の知識・経験から生み出された価値基準がその一本をオリジナル評価するのです。情報はざっくりでいいから自分の五感でちゃんと味わえ!的なのももちろん解りますが、そんなちょっとややこしいウイスキー好き目線をちゃんと理解・意識してくれるメーカーは注目され、正直なウイスキー作りは信頼につながります。

「どうせ飲むなら語れるようになりたいじゃないですか!」

今年の日本産酒類における輸出統計では清酒を抜いてウイスキーがトップに踊り出ました。このまま行けば年間トップは間違いなく、その金額は300億円にもなるそうです。これ凄いことですよ!ずーっと日本が輸出してた代表酒類は「清酒」だったんですが。それが塗り替えられたんですウイスキーに!日本はもう歴としたウイスキー生産国ですね。

そこで今問われているのがジャパニーズウイスキーの定義です!

ジャパニーズウイスキーが世界で認められ、多くの海外ファンに親しまれるようになったのは日本人としても喜ばしいことです。しかし問題は「ジャパニーズウイスキー定義の甘さ」がネットで指摘されその声は大きくなっています。その懸念は、このままいけば海外のファンの信頼を失なってしまう可能性をはらんでいるからです。グレーゾーンが多いのです。

そういったことなども含め、僕もバーマンとして価値のある一次情報をできるだけお客さんに伝える使命に燃えています。

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