宇宙 を旅した ウイスキー

 

宇宙

人類がいつか、宇宙を生活領域とすることができた時、宇宙でもウイスキーを飲むのでしょうか?(笑)そしてその時はどんなウイスキーが造られ、飲まれているのでしょうか?バランタイン社が開発した、無重力空間でもウイスキーを楽しむことができるグラス、その名も「space glass」はもう既に出来ています。正直びっくりしていますが、遥か遠い未来の話ではなく、近い将来、何かが大きく変化するような出来事が起こるかもしれません。この人の活動もそうです。

イーロン・マスク


elon-musk

近年、ますます宇宙への注目度が高くなっている気がするのは、私だけではないはずです。日本大学理工学部の教授が宇宙エレベーターなるものに挑戦するニュースが取り上げられていたり、火星の地下に氷の層が発見され、将来、火星に滞在する宇宙飛行士の役に立つ可能性があることが分かったり、すこし前の話になりますが、NASAが計画した商業軌道輸送サービス(通称COTS)と呼ばれるものがあり、分かりやすく言うと、国際宇宙ステーション(ISS)へ物資輸送するミッションを民間企業が請け負うという、まるでSF映画のような計画のことです。今大注目の男イーロンマスク氏がCEOを務めるスペースX社と契約が結ばれ、同社は2010年12月、民間企業では世界初の、軌道に乗った宇宙機の回収に成功したというニュースには本当に感動しました。

そしてマスク氏は現在、人類の火星移住計画を本気で実現させようとしています。電気自動車のテスラや、ボーリングカンパニー社によるハイパーループ計画など、マスク氏の活躍によって、さらにエコで新しいライフスタイルが想像されるとともに、宇宙もどんどん身近に思えてくることでしょう。これからも目が離せない人物であることは間違いありません。ちなみにマスク氏は、子供と遊ぶことが一番の趣味だと聞きました。彼の斬新・ダイナミックな、次世代アイデアは子供とふれあうことで生まれているのかもしれません。

ISSウイスキー


ISS

さて今回は宇宙とウイスキーに関する話をしてみたいと思います。早速ですが、みなさんは宇宙空間でウイスキー熟成はできると思いますか?

なんと,この問いに答えた蒸溜所があります。

スコットランド、アイラ島にあるアードベック蒸留所は、世界中に多くのファンを持つ蒸留所。パンチのあるスモーキーフレーバーが特徴で、一杯で高い満足度が得られるシングルモルトウイスキーとして揺るぎない地位を確立しています。
そんな魅力的な蒸留所だからでしょうか、国際宇宙ステーション(ISS)で「ウイスキーの熟成に重力は影響を与えるのか」という実験のお誘いを、ナノラックスという宇宙実験を提供する会社から受けたのでした。

私も大好きなあのウイスキーを、宇宙熟成するとどうなるんだろう?世界初の試みに私は興味深々でした!

そして2011年10月にアードベッグは見事に打ち上げられます。まるまる樽ごと宇宙へは持っていけないので、ナノラックス社開発のMixStixと呼ばれる、チューブ状の液体容器(内容量6ml)に樽材であるオークチップとアードベックの蒸溜液を入れたものがISSへと送られたそうです。

2014年9月、無事地球に帰還した蒸溜液はアードベック社によって分析結果が発表されました。
マイクログラビティー(ほぼ無重力の状態)で3年間の旅をした蒸溜液は一体どんな影響を受けたのでしょうか?

 スペースフレイバー?


Space Glass

その発表によると、宇宙空間で熟成されたウイスキーの味は、非常にフォーカスされたフレーバーで、スモークされたフルーツや、ピートの土っぽい香り、そしてペパーミントやアニスシード、シナモンなどの香りが地上熟成よりも強く刺激的な余韻を残すものだったとアードベッグ社は発表し、さらに、今まで味わったことのないようなフレーバーも存在していたと同社は語ったのです!

宇宙空間には一体どのような力が存在しているのでしょうか?これからも研究を続けていくそうなので、さらに宇宙熟成のメカニズムが解明されていくことでしょう。楽しみですね!

アードベッグ・ガリレオ


Ardbg galileo

その後アードベッグは「世界初」となる宇宙での熟成に関する実験を記念して、近代天文学の父、ガリレオにちなんで名付けられたアードベッグ・ガリレオというウイスキーを限定で発売しました。それは1999年の様々な原酒を特別にバッティングしたもので、ほんのり甘くスモーキーな口当たりに仕上がっているそうです。最大の特徴はシチリアのマルサラワイン樽で熟成していることで、ピーティーでスモーキーなアードベッグにフルーティーなアロマが加えられている一本となっているそうです。美味しそうですねw
そして、なんと日本のサントリーもJAXA協力のもと、国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟において「微小重力環境を使用したお酒のまろやかさの形成」に関する研究を、現在行っているそうです!「山崎」や「響」も宇宙へ送られていることを知りびっくりしました。いつの日か、宇宙5年と地上5年の山崎10年なんて銘柄も生まれるかもしれませんね。

 

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