ハイコーストウイスキー

北欧スウェーデンともなれば、冬に氷点下30度以下にもなり、昼と夜との劇的な寒暖差はウイスキー熟成において「樽」に与える影響は計り知れません。40ℓ程度の小さな樽を上手く使いスピーディーな熟成を計ったり、地元のスウェディッシュオークでこしらえた樽なども積極的に取り入れるなど、独自の熟成・風味開発を行っているハイコースト蒸留所。「良い樽と適切な時間」ウイスキーはこれで決まる。

ハイコースト蒸留所のハヴとティンマー。

スウェーデンの厳しい大自然に育まれたウイスキー。このウイスキーに出会ったのは、静岡蒸留所へ見学に行った際、ビジターセンターでアスタモリスやブラックアダーなどと一緒に販売さていたのを試飲・購入した時。「BOX」という名前のシングルモルトで、スェ―デンにある蒸留所だとスタッフさんに紹介された。このウイスキーは北緯63度という北の大地で生まれ、蒸留所名は林業が盛んであった地域で生産していた木箱(ボックス)に由来しているそうだ。しかし現在は「ハイコースト」という名前に改名している、それもスコットランドの某ボトラーと名前がかぶっていたことが変更の大きな理由だそうだ。「BOX」実にシンプルでインパクトのある良い名前だと思っていたので少々残念な気もする。とはいえここのウイスキー、驚くのがその味わい。初めて飲んだBOXガイアフローに衝撃を受け、アーリーデイズ、ダルヴィとすべてに共通する何か独特な清涼感、メリハリというかピントの合った締りのあるその風味にハマってしましました。今回はハイコースト蒸留所のオフィシャルリリース「ハヴ」と「ティンマー」を試飲します。


Hav 48%

「海」を意味するハヴは、ピーテッドモルト25%とノンピーテッドモルト75%のヴァッティング。40ℓのハンガリーオーク樽とスウェディッシュオーク樽で約5ヶ月熟成した後、ファーストフィルバーボン樽で約6年熟成したシングルモルトです。

 ライトアンバー

 ホワイトチョコ、バニラ、マシュマロ、蜂蜜、樹液、ピート、メンソール

 スパイスの効いた甘味、清涼感のあるモルトフレイバー、シリアル系の香ばしい香りと存在感のあるピートがバランスよく、複雑で重層感のある余韻がある。6年とは思えないほどのファーストフィルらしい熟成感があるのも特徴。


Timmer 48%

「木材」を意味するティンマーは、ピーテッドモルト100%のシングルモルト。(フェノール値46ppm)サイズの異なるファーストフィルバーボン樽を2種使用して約6年熟成が施されている。

 イエローゴールド

 バニラクリーム、洋ナシ、フレッシュオーク、苔、ハーブソルト、ピート、メンソール

味 クリーミーでピーティー、すっきりと優しいオークのウッディネス、バニラの甘味がパンチのあるピートフレイバーの中に溶け、柑橘系の清々しいアロマが全体を包んでいる。綺麗なまとまりがあり、程よい熟成感と複雑に絡む余韻が心地よい。

 スウェーデンの自然環境はウイスキー造りに合ってんだろうな、なんて思いながらここのモルトをペロペロ飲んでました。美味い。インスタでハイコーストの職員さんをフォローしてますが、そこの景色はまじヤバイです。その澄んだ空気を吸いながら飲むウイスキー、それだけでもスウェーデンへ行く価値ありだなと思いました。


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