アルモリック メートル・ド・シェ

美食大国フランスでは、ワインやブランデーだけではなくシングルモルトも幅広い層で親しまれ非常に人気が高い。それを裏付けるように、世界ウイスキー消費国ランキングでは第3位、さらにスコッチとジャパニーズウイスキーの輸出国としてフランスは堂々の1位である。今回は一本のブルトン(フレンチ)ウイスキーを紹介します。

WARENGHEM / ARMORIK

MAITRE DE CHAI 46%

ワレンゲム蒸留所 アルモリック メートル・ド・シェ

 しっかりとした琥珀色

 クリアで上品なシェリーカスクのアロマ、レーズンパイ、ブルーベリークリーム、キャラメル、オーク材

 甘味と渋みの濃縮感、カラメルのようなほろ苦い甘みを伴ったスパイス、舌の奥でじっくり留まるオイリーな風味が特徴的で、濃く出した紅茶のような華やかでコクのあるあじわいが喉の奥で開く。シェリー樽由来と思われるタンニンのグリップ感とレーズンのような甘みが最後に残る。

 優しく華やかで深い。とても美味しいです。スコッチやジャパニーズにはない風味をもち、フレンチウイスキー特有の新鮮な感覚を感じるシングルモルトでした。セラーマスターの意味を持つ「メートル・ド・シェ」はオロロソシェリーカスクで7年以上の熟成が施され、フランス・ブルターニュの海洋性気候が育んだ「海」の風味と共に奥行きのある華やかで芳醇な味わいがありました。これは面白い!知らなかったブルトン(フレンチ)ウイスキーに興味深々です。

ブルターニュ(Bretagne)。フランス北西部にある地域、「ブルトン人の地」を意味する。

ブルトン(フレンチ)ウイスキー

ブルトン人 (Bretons)とは、フランス・ブルターニュ地方に主として暮らすケルト系民族のことをいい、ブルターニュ人またはブレイス人とも呼ばれています。彼らの先祖は4世紀~6世紀にかけてグレートブリテン島南西部からフランス北西部へ移住した民族で、かつてブルターニュ公国という独立国を築いた民族でしたが1532年にフランスに併合され、一つの州となりました。(もう少し詳しくこの辺は掘ってみたいところですがまた次回に)

ワレンゲム(WARENGHEM)蒸留所はフランス・ブルターニュ地方で初めてウイスキーを造った蒸留所(1983~)です。豊富なワイン樽を保有しブランデーの蒸留技術をもって造られるフレンチウイスキーに今密かなブームの予感を感じるのは私だけでしょうか?

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