タリバーディン ワインのようなシングルモルト

『ワインのよう、芳しい。食前のピスタチオを食べながら。よりシェリーが強いバージョンは、蜂蜜を使ったデザートを食べながら。』

世界を代表するウイスキーライター故マイケル・ジャクソン氏は著書「モルトウイスキー・コンパニオン」で、タリバーディン蒸留所のハウス・スタイルについてこう書いています。ワインやビールと比べてアルコール度数も高く、樽熟成によって生まれる複雑な香りを楽しむウイスキーは、食後酒として親しまれていることがほとんどだと思います。タリバーディンがリリースするウイスキーには、ワインやシェリーのようにまるで食前酒のような優しく華やかな甘さがあるのが特徴です。

Tullibardineは良質に恵まれたパース州ブラックフォード村に所在し、南ハイランドに位置する蒸留所。この地はハイランドとローランドの両方の要素を併せ持ち、森林、峡谷、湖、丘陵が不規則に連なる地域であり「ハイランド・スプリング」と言う良質なミネラルウォーターの産地としても有名です。源泉周辺の2000エーカーは農薬類の散布はもちろん、農作や建造物の建築も許されず、英国によって採水地の土壌環境は徹底して保護されているようです。確かにハイランドスプリングはスコットランドのみならず英国の代表的な水として、日本のバーでも使用されています。

タリバーディン蒸留所の現在のオーナーは2011年からフランスはブルゴーニュの名門ワイン商「メゾン・ミッシェル・ピカール」です。2013年からパッケージとラインナップを一新し、12ヶ月間のウッドフィニッシュに使用するカスクのリッター数を示したラベルデザインが特徴となっています。その他ブレンデッドウイスキー「ハイランドクイーン」のキーモルトを担っていることでも知られ、ブルゴーニュの名門ピカール社のもと、他の蒸溜所とはひと味違ったユニークなフレーバーをもつシングルモルトとなっています。今回はソブリン、225ソーテルヌ、500シェリーをそれぞれ試飲します。



Tullibadhe SOVEREIGN 43%

酒齢表記のないバーボンバレル熟成のスタンダート品「ソブリン」。1488年に当時のスコットランド王がタリバーディン蒸留所を訪れたことにちなんで付けられたブランド名。ほぼ全てがバーボンバレルの熟成で僅かにシェリー樽を使用。「ソブリン」は王様等の意。

 ライトゴールド

 蜂蜜、カスタ―ドクリーム、ボンタンアメ、バニラ、清々しい柑橘

 クリーミーな甘さがじんわりと広がり、柑橘系のさっぱり感と皮の苦味が微かに伴う。舌の上ではライト、オークの優しいフレイバーが心地よく、飽きの来ないルーティーンを生む。前代的に甘くすっきりとしていて、綺麗な味わいが楽しめるモルト。


Tullibadhin 225 Sauternes Finish

こちらも酒齢表記はなく、バーボンバレル熟成後225ℓの貴腐ワイン「シャトー・シュデュイローカスク」で12ヶ月のウッドフィニッシュが施されたボトルです。

 アンバー

 フルーツケーキ、シトラス、レモンピール、ドライフルーツ、微かなオーク

 爽やかなシトラス、渋みを伴った柑橘系の甘味、程よいアルコールの刺激と微かなスパイスが滑らかに広がる。すっきりと甘いフィニッシュだが複雑さも中に潜み、余韻はそれほどでもないが、全体的にバランスが良く飲み疲れない。


Tullibadhin 500 Sherry Finish 

こちらも酒齢表記は無く、バーボンバレル熟成後500ℓのPXシェリーカスクで12ヶ月のウッドフィニッシュが施されています。

 アンバー

 レザー、フルーツケーキ、砂糖漬けのフルーツ、トフィー、古樽

 シェリー由来のコクのある甘味、ホットジンジャーを思わせるスパイス、渋みを伴ったモルトの旨味、少しザラッとした舌触りがある。熟成感も程よく余韻も長めでフェインツ系のなめし皮や煙草を思わせるニュアンスも感じる。全体的に甘味が強くフルボディよりの酒質で、スパイスとフェインツのフレーバがフィニッシュにかけて重なるように現れる。PXシェリーカスクらしい個性がしっかりと感じられる一本です。

 試飲した3本ともフルーティーで飲みやすく、軽快に飲めるシングルモルトといった印象です。それぞれの特徴を味わいながら飲み比べると楽しいですね。初心者の方へもぜひお勧めしたいスコッチです。ロック、ハイボールにすると更に飲みやすくなります。コスパも良くデイリーモルにも向きそうです。

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