グレンギリー
スペルからは想像もできないだろうが、発音は「グレンギリー」
「谷間の荒れた土地」という意味のグレンギリー蒸溜所はアバディーンの北西、東ハイランドのオールドメルドラム村という小さく美しい村に所在しています。今回購入したグレンギリー12年はメーカー終売品のようで、希少価値ゆえの価格上昇が考えられるので興味のある方はお早めに。
ハイランドでは最古の蒸留所として知られるグレンギリーは、1797年創業というたいへん歴史のある蒸留所であり、現在のオーナーはサントリーです。詳しく言うと1994年にサントリーがモリソンボウモアを買収したことに伴って、ボウモアの傘下にいたグレンギリーも同時にサントリーの傘下になったということです。あまり日本では知られていない銘柄という印象、私も名前は知ってはいましたが、しばらく購入には至りませんでした。.
伝統のハイランドモルトの一つであるグレンギリー蒸留所らかリリースされる12年物が終売ということを知り購入することにしました。ではさっそく飲んでみたいと思います。
GLEN GARIOCH 12YEAR
ストレートでいただきます。グラスに注ぐとしっかり熟成を感じる赤みがかった琥珀色をしています。度数は46度とそこそこ。
香りは鼻を近づけてみると青リンゴのような爽やかな香りとアルコールの刺激があり、モルト由来の穀物香が樽の香りとともに訪れます。
ゆっくり口に含むと、上品な甘さが口いっぱいに広がり、洋ナシやリンゴを思わせるフレーバーが鼻に抜け、その甘さを包み込むように後からスパイス感が現れます。正統派なスコッチらしいモルティーな甘みと舌に残るスパイス感は厚みのある長い余韻となって続き、単純に甘口のモルトと一言では言えない心地よい酸味や、クリアですっきりとした味わいも隠れています。
甘やかな中にも酸味・スパイスが隠れていて度数が比較的強いので飲み応えもあるモルト。他にはない個性的な味わいで根強い人気のあるシングルモルトといった印象がありました。グレンギリーの他のボトルも飲んでみたいですね。