長熟ジュラの繊細なフローラルとウッディネスを堪能する。
Isle of Jura 21years. Time 47.2%
備考:ファーストフィルバーボン、ピーテッドモルトカスクフィニッシュ。瓶詰めは2019年。エアポートモデル(空港免税店限定)
感想:洋ナシや花を思わせるフルーティーな甘さにタバコような微かなピートの香り。口当たりは柔らかく繊細でバターのような滑らかさファーストの印象。バニラ、蜂蜜の奥にほろ苦いスパイスのフレイバーがじんわりと広がる。穏やかな酒質で飲み進めることで味わいがレイヤードされ全体像が見えてくる。数滴の加水でより華やかに。思ったよりもピートは控えめで、静かな酒質を奥で支える骨格のような役割をしている。とても繊細な味わいをもったシングルモルトです。フィニッシュにかけては樽のエキス分みたいな要素が支配的。長期熟成の過程で面取りされ丸くなり過ぎてしまった酒質に、ピーテッドカスクで無理矢理化粧させたような印象も。まあ開封直後の感想なのでしばらく置いた方がもっとちゃんとしたレヴューが書けるかもしれない。
ジュラ21年TIME&TIDEは2本ペアのモルトシリーズ。TIMEは空港内の小売店で、TIDEは通常リリースでウイスキー専門店などで購入できる。といっても国内市場で見たことはない。おそらくはヨーロッパ市場限定なのだろう。この2本の違いはウッドフィニッシュにある。どちらもベース熟成にはファーストフィル・バーボンを使用し、TIMEはピーテッドモルトカスク、TIDEは未使用のアメリカンホワイトオークでフィニッシュが施されている。