Scotchtrip_Scotland

スコッチ研修への準備が整い本場スコットランドへの出発まであと一週間。関空から出発しオランダスキポール空港でトランジット、その後スコットランド最大の都市グラスゴーへの予定だ。トランジットでの時間が1時間しかないことへの不安が少しあるくらいだが、久しぶりの海外にテンションは高め。木曜日出発だけど約15時間のフライト後も9時間の時差のため到着は同日の夕方となる。とにかく無事にアイラ島までたどり着きたい。こういった不安は航空券やホテル、バス、フェリーなどすべてのブッキングをスマホで行った実感の薄さがもたらしているんだと思う。便利なサービスはいろいろとあってオンラインの「GPA外貨両替専門店」は事前に渡航先の通貨に両替するネットサイトで自宅まで着払いで郵送してくれる。「Wi‐Ho」のレンタルモバイルルーターなども500㎆/日契約でオーダーしたけど使ってみないと分からないので現時点では何とも言えないが、これも自宅まで事前に郵送してくれる。返却は帰国時に空港のテレコム返却ボックスに入れて終わるシステムだ。その他OmioBooking.comなど様々なブッキングサイトがあり値段もそれぞれに違うことに気づく。グラスゴーからアイラ島へはローガンエアという航空会社がありオフィシャルサイトで予約。がもちろんフル英語なので翻訳機能を使う。するとテンプレートのズレを生み上手く入力できない。結局Trip.comで予約。中国最大のブッキングサイトらしく日本語でとてもスムーズに予約が完了。予約後はメールでeチケットが送られてくるので携帯でちゃんと管理すればいい。ネットを使って事前の準備がスムーズにでき、現地での煩わしい手続きから解放される。まさにスマホ神である。最近ではコロナウイルスの感染被害が日に日に拡大し、ニュースでも取り上げない日はないほど世界的に警戒感が強まっている。渡航先ではそういった目で見られてしまうアジア人としての緊張感は頼んでもないオプションとなった。まあ仕方ない。「I’m not infacted by virus」こんなベタなことを言うことになるんだろうか。ただでさえ冷たく見えてしまう外の目にさらに疑いと警戒・恐怖が乗っかると思うと飲まずにはいられない笑。とはいえ万全の体調で出発したいのでお酒は控えている。 今日もコロナウイルス関連の海外ニュースが気になる。イスラエルは日本人の入国を禁止したらしい。マジか。この流れでヨーロッパ全体に入国禁止令が発令なんてことはないよな。どっかの記事にはイギリス旅行中の中国人が同じアジア人からコロナ暴行を受けたという微妙なニュースや、もう手には負えない権力者の陰謀「バイオ兵器説」とかも出ている。ついてないね。そう言われてもおかしくない状況。話はそれるが昔ネパールへ行った時は王族と政治家との間でクーデターが起こったタイミングだった。危険渡航区域レベル4になってたが再度スケジュールの調整に無理があったので結果ネパールへ飛んだ。現地は最初別に何も、といった様子でしたが突然ゼネラルストライキやデモが起こり、事前の情報入手に翻弄したことを覚えてます。知らずに乗ったポカラ行きのバスはその日を最後にスト入り。帰る手段を失った私はホテルの親切なオーナーにわざわざ飛行機チケットを予約してもらったりと、なにかにつけ行き当たりばったりな若気の至り旅行。デモ時にタイヤを鳴らし逃げるようなドライビングでホテルまで送ってくれたカトマンズのタクシーを思い出した。あのドライバーは今何してんだろう。カラカラに乾いた記憶だ笑。

今日のイギリス日本大使館やエディンバラ日本総領事館のサイトにはコロナウイルスのことは書かれておらず、入国制限も出てない。そしたら領事館サイトで、グラスゴー北にあるカーキンティロックのオールドカーク博物館「愛とウヰスキー」竹鶴政孝とリタ・カウンの物語(2月22日~3月14日)をみつけた。こっちでもこういうのやってんだな。ちょっと気になる。20世紀初め単身スコットランドへ行ったタケツル・マサタカ(マッサン)は本場のウイスキーを学ぶため、数ある蒸留所を門前払い覚悟で巡り、現在のジャパニーズウイスキー史を築いた父だ。といってもまだ100年足らずのジャパニーズウイスキー。スコットランドの人が観るジャパニーズってどんな感じか知りたい。なんだか行ってみようかなって気になる。グラスゴーではグレンゴイン、クライドサイド、オーへントッシャンが近くにあるので時間の許す限り回ってみようと思う。とくにクライドサイド蒸留所はこの目で見てみたい。まさかのゲームオーバーニュースが流れないことを祈りつつ、エディンバラのエルダーストリート近くのヨークにホテルをとった。 旅行前日、時間遅延のメールが空港から届き20分遅れることがわかった。オランダ・スキポール空港でのトランジット時間が足りない気がする。こういったアクシデントは想定外だった。スケジュールも一つ狂えば全てが狂う。当日空港では事前のオンラインチェックインでスイスイ搭乗ゲートまで行く。しかしスキャンしたEチケットで何やらブザーが鳴るという事態に。なになに⁉何かと思えばトランジットをやはり気にしてくれたKLM職員の方から、前方の出口付近の席へ移動の提案だった。30列目から4列目への移動。これはありがたい。スキポールへのフライトでは空席が目立つ。よく考えてみれば同じ便に乗ってる外国人達はよくこの時期に日本へやってきたもんだ。俺がスコットランドへ行くよりも絶対リスキーだよ。帰国後も2週間は警戒され、知人・職場の人にも何を言われるか分からないはずなのに。でもまあなんだか気が軽くなったような。楽観主義者である。11時間の空の旅。きっちり20分遅れてオランダスキポール空港に着いた。ギリギリまでグラスゴー行き搭乗ゲートのお知らせが入らず焦る。時間がねえよ。そして機内のインフォパネルでやっと次に乗るフライトナンバーを確認。D6ゲートまで鬼の競歩。あの席でほんとに良かった。急いだせいでスキポール空港の印象はほぼ無い。帰りでいいや。搭乗ゲートまで直感的にたどり着き、50分はかかる手続きを30分で終わらせることができた。よかった。なんとか間に合った。飛行機までバス移動。1時間30分後にはいよいよグラスゴーだ。

SCHIPHOL
KLM
GLASGOW

グラスゴーは雨。疲れた。スコットランドで何するの?って入国審査で問われ、ウイスキー蒸留所のツアーに参加すると伝えると彼女は壁のグレンゴインの写真を指差して「ナイス」と一言。こっちも負けずに快心のジャパニーズスマイル。さっき隣の席に座ってたスコットランド人女性には親切にしてもらった。可愛い6か月の孫の話も聞かせてくれた。もっと英語喋れたらと痛感する。ありがとう。空港近くにホテルを取ってたので歩いて向かう。あの警備員ウソつき。なんなんだよ歩道無いじゃん。なんとなくの記憶をたどった結果回り道。たまたま車から降りてきた女性にまた道を訪ね、マリオットグラスゴーホテルへたどり着くことができた。すんなりとはいかないものだ。ああ寒かった。黒髪に赤メッシュ、ぽっちゃりタトゥーの好感が持てる女性が受付にいた。値段の割になかなかいい部屋。アイロン台もある。コーヒーはネスカフェ。早速シャワーを浴びて持参した牛乳石鹸に癒される。そして食事をするため一階のレストランへ行った。数あるメニュー中からペンネアラビアータとハイネケンを注文。まったくスコットランドじゃないチョイスにひとりウケる。そうしてると周囲から「感染」という英単語が聞こえてきた。勝手な被害者意識がポツリと芽生え、俺はヘルシーだぞと示したくなる。なるほどアウェイだ。最初から分かってたことだ、明日に備えてさっさと寝よう。朝6時にホテルをチェックアウトしグラスゴー空港へ向かう。行きとは違う空港までの最短ルートを発見。歩道の信号ボタンを押すと間髪入れずに青に変わった。危なくねえかこれ笑。アイラへのフライトは悪天候により一時間半の遅れ。想定外だった。とにかく風が強い。ローガンエアは行きなのか、帰りなのか分からない人達で満席。 マジ飛んでよかったの今日?真っ白な濃い霧とプロペラの騒音だけが支配する世界。45分後、ギュイーン旋回、カクカク降下、バウンド着地と恐怖のフルコース。パイロット神。アイラ空港はこじんまりとした小さな空港だった。飛行機を降り土砂降りの雨の中、空港内へ走り込む。しばらく待機することに。最初の予定であるアードベッグまでいっそタクシーを呼んだ方がいいのかと考えたが、空港職員にタクシーは今日はもう来ないといわれた。なんで⁉ ツアー予約時間には間に合わなかったがそれは仕方がない。さらに荷物もあることだし一旦ボウモアにある予約したホテルへ行くことを空港のおばちゃんに強く勧められた。そうなの? バスの本数は決して多くない。今日が無駄になることは避けたかった。焦る。時間を再度確認しバス停へと向かった。風が強えええ笑。台風並みの突風は雨とコラボし、持参した折りたたみ傘を無能だといわんばかりにひっくり返した。以前ハイランドパークのあるオークニー諸島を調べたことを思いだす。そこは年中通して風が強いため低木しか育たないないらしく、ここももはやそれと同じように思えるほど丘には木が見当たらなかった。そして人っ子一人見当たらない。ポツンと一人待つ。ダダ下がったテンションを鼻歌で紛らわす。予定時刻通りにバスが来た。助かった。気を取り直していざアードベッグへ! アイラのバスは月曜から土曜日まで運行している。時間はアイラバス・タイムテーブルで知ることができる。タイムテーブルは月・水・金と火・木・土の2種類があるので注意。バスに乗ったら最初に行き先を伝え支払いを済ませるシステム。タイムスケジュールにはないラガヴーリンやラフロイグにも最初に伝えれば降ろしてくれるそうなので安心した。日曜日は休みなのでタクシーやレンタカーしか移動手段はなくなってしまうのも忘れてはいけない。バスの料金目安としてはポートエレンからボウモアまで£3でお釣りがくるくらいだったと思う。アイラの手厚い歓迎を受け身体は冷え冷え。よくあることさと嵐の中を時速80キロくらいで走るバス。ドババーン!度々大きな水たまりがはじける。フロントガラスをたたきつける泥水をワイパーがやっつける。親切で無口なニット帽メガネのドライバー。油膜で外がよく見えないバスの窓。身体をずらし無理やりフロントガラスから外を覗く。この島に生きる人たちのたくましさを感じた。バスは私一人だけを乗せ島の南側へ向かっている。ポートエレンの町が見えた。

LOGANAIR
ISLAY AIRPORT
ISLAY BUS

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です