「国産品と呼ばずに、国際品と呼んでください」というコピーからもわかるように、1971年の舶来ウイスキー自由化の到来によりできあがった舶来vs国産という構図に世界基準品質という概念を取り入ることで、同社のウイスキーのブランドイメージの確立に一役買ったウイスキー。
サントリーリザーブの麦穂ラベルは1970年代から80年代初期にかけてのリリースだと思われます。特級760mlボトルで、裏に大きく「70」と書かれており、サントリー(当時は鳥井商店)創業の1899年から70周年を記念して1969年に発売された事を表しています。ラベルに注意することでリリースの時代を区別でき、70年代半ばのボトルには「レアブレンド」のラベルが、80年代のバッチには「ア シュプリームブレンド」のラベルが付けられています。
特級 サントリーリザーブ 麦穂ラベル
80年代流通 760ml 43%
香 石鹸、硫黄、コンクリート、醤油、奈良漬け、ニッキ、カラメル、黒砂糖
味 酸味がありモルティー。優しいスパイスと微かな苦味、少し刺々しくドライな印象。シェリーカスク由来のオフフレーバーがあり、中でも硫黄が強くある。その奥に山崎のモルトニュアンスが隠れている。フィニッシュは辛みと酸味が残り余韻となって続く。
感 これ過去に飲んだあれだ!あれ!フェッターケアン・フィオールだ!思い出した。サルファリー系の強い印象がよく似ている。当時ブレンドに使用したグレーンは輸入物なのか?国産の醸造アルコールなのか?国産グレーンなのかは分かりませんが、キーモルトは山崎だと調べで分かり、白州主体の現行リザーブとはまるで別物といえる味わいでありました。それもやはり硫黄のようなオフフレーバーが気になってしまう!開封後徐々に消えつつあるこの硫黄感ですが、劣化が直接の原因でないとしたら当時の評価は一体どうだったんでしょう?気になります。とはいえ一週間もすればオフフレーバーは落ち着き、繊細でバランスの良い味わいが表に現れてきましたよ。